木田グループのスタンス
神戸大学大学院農学研究科土壌学教育研究分野・木田グループは2021年2月に始まった真新しい研究室です。一緒に研究室のこれからを作っていける意欲的な学生をドシドシ募集中です! 大学は人生の方向性を決める貴重な時間。無駄にせずに目の前のことに一生懸命になってみましょう。何事も本気でやっていたら自然と楽しくなるはずです。多くの人にとって研究活動は初めてでイメージも湧かないし最初は右も左も分からないと思います。当グループでは教員と学生の密なコミュニケーションを大切にし,二人三脚で研究を進めていきます。
研究テーマは相談して決めますが,特に明確にやりたいことがない学生さんは研究室の課題の中から選んでもらいます。 ただし,与えられたテーマを漫然とこなすのは面白みに欠けるので,それを自分のものにする気概が必要です。挑戦的なテーマを積極的に進めていきたいですが, 相談の上,保険として短期間で成果の出るテーマを並行しておこなってもらうことも可能です。
学部生は,少なくとも1回は国内学会で発表をおこなってもらう予定です。 生物地球化学研究会,日本有機地球化学会,日本腐植物質学会の発表申込は通常10月末・11月初めなので余裕をもって予定を立てられます。日本土壌肥料学会は4月末,日本陸水学会は7月末なので,3年時後期の配属直後からスムーズに研究を開始できていない場合は修士に進んでからの参加となります。
修士の学生は学部・修士の研究内容を英語論文として執筆し,国際誌に投稿することを見据えて研究をおこなってもらいます。自分のためにも,社会のためにも,自分の研究をしっかりと二次利用される形で世の中に公表することは極めて大事です。木田グループのモットーは「Interesting and unpublished is equivalent to non-existent」です。
在学中の英語論文執筆は,日本学生支援機構の奨学金を借りている学生さんにとっては金銭的負担の軽減にも繋がります。日本の大学生は実に4割近くが,返済が必要な日本学生支援機構の奨学金を借りています。このうち第一種奨学金を貸与している学生は「特に優れた業績による返還免除」制度によって貸与額の半額または全額を免除される可能性があります。この評価において,筆頭著者としての英語論文の国際誌への発表は事実上必須です。
最後に,土壌学研究室は他大学・研究機関との合同調査やプロジェクトの機会に恵まれており,外の世界を知るチャンスが沢山あります。 他大の学生さんの頑張っている姿を見てもらうことも大事な経験だと思っています。
学部生
神戸大学農学部応用機能生物学コースの学生さんは3年時後期に研究室に配属されます。土壌学や有機地球化学の専門知識は配属後に学ぶことができますので, 興味のある方はまずはお気軽にご相談・ご見学ください(ページ下部のアイコンをクリックするとメールや電話ができます)。 基本的には,研究室に閉じこもりきりではなく色々なフィールドに行って調査をすることができますが,野外が苦手な方は室内実験のみのテーマを相談して決めることもできます。
修士・博士課程/ポスドク
神戸大学農学研究科・土壌学研究室は土壌学・有機地球化学が学べ,土壌・水圏の広範な物質循環のどちらも研究できる日本でも数少ない研究室の一つです。
修士・博士課程問わず他大学からの大学院受験も大歓迎です。修士課程(博士課程前期課程)・博士課程(博士課程後期課程)から参加したい方は入学手続きについて
農学研究科のサイトをご覧ください。博士課程・ポスドクを考えている方には日本学術振興会の
特別研究員制度に応募することを強く推奨します。木田もDC2・PD・海外学振(全面接免除)を経験しているので,
研究テーマ・応募書類の作成からサポートできます。まずはお気軽にご相談・ご見学ください。
また,神戸大学はJSTの次世代研究者挑戦的研究プログラム(SPRING)事業に「異分野共創による次世代卓越博士人材育成プロジェクト」として採択されています(詳細はこちら)。この制度を活用して,博士課程の学生は金銭的不安が無く研究に専念できるようになってきています。
既存の枠には嵌らない方
当グループは,様々なバックグラウンドを持った方を積極的に受け入れます。社会人で学び直しをしたい方,ライフイベントで一旦研究を離れた方や,これからその予定がある方なども歓迎いたします。 全てのパターンをここで列挙することは出来ませんが,是非一度,気軽にご相談ください。多様なバックグラウンドや考え方の人材が同じグループにいることで,構成メンバー全員に良い波及効果があると思っています。
木田グループはかなり広範な研究テーマを扱っていますが,全て天然有機物(土壌有機物・溶存有機物)の運命(動態,消長),組成,生態系における機能に関わった研究です(マングローブの研究の一部はこちらで紹介しているので読んでみてください)。一方,農業,作物生産,施肥管理,重金属,汚染物質等に関する研究は今のところ行っていません。こういった研究に興味がある方は,当グループはおそらく合わないでしょう。また,土壌微生物に関する研究は,土壌有機物動態と関連させて研究できる場合のみ受け入れます。
現在,以下の競争的資金を獲得しています。
- 代表:JST創発的研究支援事業「溶存有機物の複雑多様性から水圏生態系の動態を理解する」2024-2032
- 代表:科研費学術変革領域研究(A)(公募研究)「マングローブ植林クロノシーケンス:土壌炭素の蓄積機構と溶存有機炭素プールの変遷」2024-2026
- 分担:科研費基盤研究(C)「分子サイズを鍵にして水圏溶存有機物の生分解モデルを刷新する」2024-2027(代表:早川和秀)
- 代表:神戸大学 ⾼等学術研究院テニュアトラック教員⽀援制度(B制度)2022.10~2027.9
- 代表:科研費基盤研究(B)「溶存有機物の長期残存性を規定する分子複雑性とその規定要因の解明」2022-2025
- 分担:科研費基盤研究(B)「地球温暖化により生じた貧酸素水塊における酸素消費システムの解明」2022-2025(代表:布施泰朗)
- 分担:科研費基盤研究(B)「浅海域植生帯堆積物における有機炭素長期貯留評価と難分解化機構の解明」2022-2026(代表:宮島利宏)
- 若手研究者枠:科研費国際共同研究強化(B)「荒廃地へのマングローブの植林は生態系炭素貯留量をどのくらい増大させるか」2021-2026(代表:大塚俊之)
また,以下の共同研究を実施しています。
- 代表:東京大学大気海洋研究所「共同利用研究」2022.10-2025
- 代表:京都大学生存圏研究所「共同利用・共同研究/先進素材開発解析システム(ADAM)」2022-2025
終了済みの共同研究
- 代表:国立極地研究所「一般共同研究」2021-2024
木田は現時点ではテニュアトラック制助教で博士学生の主指導権限がありませんので,形式上は藤嶽教授に主指導教官になってもらい,木田は副指導教官として指導にあたります。